クーロンの自分語りブログ

おじさんが、昔の裏日常をつづっています。

会ってみた。からの驚きの提案。

2-3話です。

いよいよオフ会の時。

そして本当の病名を知る - クーロンの自分語りブログ

前回の話はこちら↑

 

何才になっても始めての人と会う時は緊張しますね。

 

会ってみていきなり怒鳴られたらどうしよう、怖い怖い。

そう思うなら止めればいいのに、と毎回思いますが、一度でも怖い目にあったら本当に次は無いと思います。

 

で、川本との初接触ですが、事前情報として聞いていたのは、服装と声優に間違えられると言う特徴のある「声」。

 

場所とか服装とかメールで確かめつつ、この人だよな…と思い恐る恐る声をかけます。

 

「…えと、川本さんですか…?クーロンですけど。」

すると、とても明るい笑顔で見つめられる。

 

「クーロンさんですか?どうも初めまして、川本教子ですっ!」

 

ぺこり、と、すごく礼儀正しいお辞儀。

 

ヤバい、なんか良いトコのお嬢様っぽいぞ…

何故ヤバいと思ったのか謎ですが、本能が訴えました。

 

そして多重人格者という事でやや偏見の目を見ようとしていた自分を恥じました。

 

「ホントに声優みたいな声なんだね。これなら声優に間違えられるのも分かるよ。」

 「ウフフ♪」

 

満足げにほほ笑む川本。

この時のやりとりが後日川本にある決意を促します。

この時は全く予想していませんでしたが。

 

それからは予定していたお店やゲーセン等を移動。

 

道中、川本が車道側を歩くシチュエーションがあった時の事、

「あー、クーロンさん、ダメですよ、女の子を車道側に歩かせてはw」

いや、そんなレディの扱いなんて知らないですよ、困った困った。

 

秋葉原はオタクにとっては聖地。

色んなお店に色んなグッズが並んでいます。

一年以上、自宅と病院だけが世界だった彼女にとってはとても刺激が強かったみたいです。

目をキラキラさせながら、色んな物を見ていました。

 

そして時間はあっという間に過ぎ、帰りは池袋まで送っていき終了。

毎夜チャットルームに集まる日々に戻ります。

 

数日後、これからの進路について話していた時、川本は驚きの発言をします。

 

「川本ね、アニメ声優になろうと思うんだけど、どうかなぁ?」

「アニメ声優だって?」

 

面白い事を言うなぁと思って話を聞くと、元々声優になりたかった事、養成所修行からデビューまでを考えると年齢的にそろそろキツいと言う事、現在無職なので何でもやれる事などを踏まえたうえでの決断でした。

 

「クーロン、川本の声聞いて、声優みたいだなって言ってくれたでしょ?だから…最後のチャンスと思って受けてみようかなと思って。」

 

実はチャットの常連さんに、たっちゃんと言う人がいます。

彼は北海道から上京し、4月から養成所に入る事が決まっています。

その話を聞いていたからか、「自分もイケるかも!」と思っていたようです。

 

僕はそのチャレンジに対して賛成をしました。

非情な言い方かも知れませんが、養成所に入れるかどうかを決めるのはプロ(試験官)の方々。

僕が賛成しようが反対しようが何の効果も無い訳で、それなら彼女の成功を祝う側にいた方が楽しいと思ったからです。

 

そして、僕と川本とたっちゃん、そしてチャットの常連もう一人を加え、4人で会う事になりました。

やはり声を仕事とするための話をするには、実際会って声を交わさないとダメだと思ったからです。

 

4人で会うとは言え、僕と川本は既に会っている仲。ずいぶん気が楽なものです。

たっちゃんはさすがに声優を目指すだけあってか、素人目(耳)にも声質は良いと思いました。声の張りは無い感じでしたが、これは養成所で鍛えるものなんでしょう。

 

話題は当然、川本が養成所を受けるにふさわしいかどうか。

特に試験をするでもなく、会話をしただけですが、

「まぁ、受けるのは良いんじゃないでしょうか。」

たっちゃんは賛成しました。

 

「やったー!たっちゃんありがとう!」

怯えるたっちゃんに抱き着き、川本はずっとニコニコです。

 

今にして思えば、とても平和で楽しい時でした。

この時間が変わらずにずっと続けば良かったのに、と今でも思います。

 

あれ、これ恋愛話だよね?と思われた方。

 

まだまだ序章なんです。

そして、ヒロインはまだ登場していません。

 

恐惶謹言

 

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そして現れた彼女 - クーロンの自分語りブログ