そして本当の病名を知る
2-2話です。
川本の以前の病名を聞き、あまりの重さに少し緊張気味です。
ある日、川本は自分の妹の話をしました。
「川本の妹ね、今週土曜日に秋葉原の病院に入院するんだけど、付き添ってくれって言われちゃって…。電車なんて数か月乗ってないんだけどなぁ。」
えー、先月入院してて、電車乗るの数か月ぶりなんて危ないでしょ。
「危なくない?一緒に行こうか?」
付き添いの付き添いとかどうだろうと思いましたが、提案しました。
「いや、いいよ。クーロンと会う時はキレイにしていきたいの。今、髪ぼさぼさだから恥ずかしい」
見た目なんか良いじゃん(…いや、女性にとってはそうでもないだろうけど)
何回も何回もお願いしましたが、どうしても美容院に行った後じゃないとダメらしく。
先日オフ会したいって言ったのに、この主導権の入れ替わりはなんだろう。
そして土曜日を迎え、夜になって川本が入室した時は安堵しました。
その後、付き添いを断ったのを忘れたかのように、再びオフ会のお誘いを繰り返すようになりましたが、「遊びは別。」とまたやんわりと断っていたのですが、ある日。
「クーロン!オフ会しよう!!」
「だから、病気が治ってからって言ってるじゃん…。」
「治った治った!」
「嘘ついたって駄目。そんなに簡単に治る訳がないじゃん。」
「昨日病院に行ったらね、外出許可が出たんだよ!」
「外出許可」と聞いて、今までは本当にドクターストップ状態だったのかと思い、うかつに会わなくて良かったな、と思うと同時に断る理由が無くなってしまった。
「…よし、オフ会しようか。」
「やった!じゃディズニーシーとかどう?」
それデートですやん。婚約者いる人と行っても虚しい。
色々話した結果、お互いオタクなので秋葉原巡りになりました。
そして日程は来週末に決定。
「じゃあ、クーロンには川本の病気について本当の事話すね。もし、これで嫌ならオフ会キャンセルして良いからね。」
…お、おう。なんか緊張。
「まずね…川本は、第一級障害者なんだよ。」
第一級…これは少し知識がありました。
主に透析患者さんに配布される物で、頻繁に治療が行われるため医療費無しの0割負担者です。
でも、今まで聞いてきた話を統合しても透析患者とは違うと思いました。
そして、川本が告げた自分の病名とは、「多重人格障害者」でした。
…はい?何、このぶっとんだ設定。
「多重人格?他に人格があるって事?」
「まずね、元々の人格が生きる事を止めたの。それを補うように他の人格が発生してきたの。」
…正直言って話についていけない。信じて良いのかどうなのか。
「川本はね、今から6年前に生まれたんだよ。だから今6才なの。」
6才…、なんか口調が幼い時があるのは、これが原因なのか?
26年間生きてきた記憶はありつつも、人としての経験は6年。
「ほかの人格に変わる事はあるの?」
「最近は全く変わらないよ。昔は人間嫌いの人格があったけど、最近は出現しないし。」
なんか分からないけど、川本という女性は、オリジナル人格はいないけど、今は川本が主人格になっているって事らしい。
「川本は障害者なんだけど…本当に会ってもいいの?」
「いいよいいよ、気にすんな。」
そしてオフ会の当日を迎えます。
恐惶謹言
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会ってみた。からの驚きの提案。 - クーロンの自分語りブログ