ちゃんとした謝罪?
2-34話です。
謝罪を要求されました。
前回の話はこちら↑
「謝罪?」
「うん…クーロンは悪く無いのに、クーロンが悪いって怒ってる。」
はぁ…。
さき2が出現した日から、もう二週間近くが経過しています。
当初、川本の彼氏と話をした時に謝りの言葉は伝えていますし、自分も、川本も、おそらくさき2と彼氏も心に傷を負いました。
それで全て良しと迄は言いませんが、自分の中では済んだ事、でした。
それなのに、更に謝罪を求められ、カチンとも来ました。
色々と考えた末、川本を挟んでメッセンジャーであれこれ言い合いをしても、実のある会話ができると思えないので、メールで伝える事にしました。
ただ、そのメールは謝罪ではありません。
自分のした事を正当化するつもりもありませんが、落ち着いて良く考えてみると、そこまで卑屈に謝り続ける事は無いんじゃないか、と思うようになったのです。
謝罪の意志が無いのに、謝罪をするのは意味がありません。
返って相手に失礼な場合もあるでしょう。
それで相手の気が済むのなら、と言う考えもありますが、そこまで大人ではないし。
謝罪をしなかった一番の大きな理由は、合意の上だった事。
多重人格者と言う特殊な状況ではありますが、一度は拒み、そしてメインの人格である川本に認められた上での行為です。
川本はまだ未婚である事だし、法的にも倫理的にも間違った行動では無いのでは無いか、と思うのです。
これらを長々と書き連ね、「謝罪はしません、これこれこう言う理由があるからで、文句があるなら反論どうぞ」と言う内容でメールを送信しました。
メールの返事は翌々日に来ました。
かなりの長文です。
さき4(川本)を通じて話すのは限界がありますので、 仰る通りメールで返信します。
冒頭の文を読む限り、紳士的に話を進めようという意志はあるみたいです。
メールには、まず川本に過去についての記述がありました。
概要はこんな感じ
学生時代のさき(おそらく、さき2)には自殺願望があり、「死にたい死にたい」と言い続け、自分の体を傷つける行為をしていました。
今の川本からは全然想像もできない事です。
彼は、大好きな彼女に体を傷つける事をして欲しく無い為に、阻止し続けてきました。
どの人格であっても体は一つだからです。
今回の出来事を先のメールで「合意の上での事だから」と書きましたが、病気であると言う事もあるし、それを認める訳には行かない、故に合意であってもセックスをする事は断じて認めない、と言う事。
それぞれの人格がそれぞれ我侭をしたい放題になったら、被害を受けるのは一つしか無い『体』である、と。
気持ちは分かりますが、自虐行為と一緒にされてもなぁ…と、思います。
また、ここで初めて知るのですが、今回の出来事についてショックを受けた彼は、泣いてチャットを止める様に川本に頼みました。
そこで川本は何と答えたか。
「クーロンは良い友達だから、いやだ。」
この一件から、彼は川本が洗脳されているのでは無いかと思い始めています。
以前のチャットでもメールでも、今回の事について川本とちゃんと話して欲しいと伝えていますが、何度も話しつつも結果は「でもクーロンはいい人…」で終わるとか。
洗脳者呼ばわりは、ものすごく心外。
思い返してみても、川本と沢山話した中で強制をした事は一度もありません。
川本から信頼を寄せてもらえているのは、色んな話をしてきた上で芽生えたもので、川本が自分で判断したからだと自負しています。
メールの中で、彼は自分がどんな悪い事を言っても信じてしまう状態だろうと言っています。
かと言って川本が彼と別れて自分と付き合う流れには絶対ならない。
恋愛沙汰になり三角関係になるのは嫌なので、再三確認を取っていたのですが、最終的には彼氏の言う事を聞いてくれるものなのだろうと思っていたのです。そうなるべきものだと思っていました。
しかし、彼氏の言う事に背いてまでも、チャットを止めない。
ここまで自分を信じてくれている。ここは少し計算違いでした。
彼はメールの中で、川本の精神年齢を小学生低学年レベルと言っています。
自分としては、小学生高学年程度と思っていましたが、おそらく彼の判断の方が妥当なのでしょう。
更に読み進んでみます。
恐惶謹言
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