嘘は突き通せない
2-20話です。
とりあえず話を変えてみたりはしてみましたが、やはり10分くらい経つと「ありえない妄想」について話を戻りたがります。
前回の話はこちら↑
当然と言えば当然なのですが。
それから30分くらい経って、
「あのさ…変な事聞くけど…さき5とエッチな事してない?」
ドキドキッ!!!
「Hな事って、どんな?プリクラ見れば分かるだろうけど、腕くらいは組んだけど…。」
「やっぱ欲求不満だ…。」
さき5の言う「蛇の生殺し状態」が感覚的に伝わっているようです。
「日曜は彼氏とゆっくりHしてみるとか。」
「別にしたくないんだけど…。」
「どんな妄想をさき5はしてるの?」
「なんかHな夢見て、相手がクーロンだった。」
「さき5がそういう夢を見ていて、それが川本の記憶とごっちゃになっていると言う可能性は?」
「あぁ、そういう事かも。」
「素人の推測だけど…。」
「いや、多分正しい。さき5はそんなにクーロンが好きなのか…。」
「襲われるかな…。」
「襲わないよっ、おとなしい子だから。クーロン、襲っちゃダメよw」
「そんな関係になったら…すごい事になりそうだね。」
「そうだねー、大問題だよ。」
…滝汗。
「川本も嫌でしょ?そんなのだったら。」
「うーん…クーロンを好きなさき5がそんな事したら…どうなんだろう、しょうがないって思っちゃうかも。」
「Hしても、って事?」
「うん。」
「彼氏はそう思わないでしょ。」
「そりゃそうだ。でもさ…逆の立場だったら…って思うと、さき5可哀相だもん。」
この話を伸ばしていくと、どこかでボロが出そうなので他の話題を話していると、また10分くらい後で川本が言いました。
「あのさ…お布団敷いた?」
ドキドキッ!!!
「敷くって言うか、押入れには入れないから部屋の隅に置いてあるよ。」
「部屋に置いてあるのは知っているけど、それ敷かなかった?」
「なんで?」
「なんでっていうか…あのさ、ぶっちゃけ、さき5とHした?」
ドキドキッ!!!
もう心臓がバックンバックン言っています。
…ダメだ、観念しよう。
「えと…Hな事はしたけど、Hはしてません。」
「は?」
「Bまで、って言えばいいのかな。」
「したんだ…。」
その後は、ひたすら謝りの一手です。
川本は言葉少なく、間違った事はしてない、と何度も言ってくれました。
「クーロンの事を、さき5が好きになっちゃったのは分かるよ。人格が違うんだから、好きな人が違っていてもおかしくない。川本は川本の人生を送るし、さき5にもさき5の人生を送って欲しい。だから、会ったりHしたりも許せる。」
達観した、重みのある言葉に見えました。
正直、何も言い返せません。
「…実は次から言う事を言ったら、ショックでさき5が消えてしまったので、落ち着いて聞いてほしいんだけど、川本とさき5が違う人を好きになって、Hとかするような状態を、さき1は許すと思う?」
「うん。」
「そこは自信あるんだ?」
「うん。」
「だって妊娠したらどうなるの?」
「〇〇つければ?」
「それでも絶対じゃないじゃん。。それに、世間的には許される事では無いよね。」
「世間的にはそうだけど、人格が違うっていう特殊な状態だからしょうがないと思うよ。」
「なんか…こう言うのはおかしいけど、川本はすごいね。」
「何が?」
「もっと怒られるかと思ってた。冷静では無いだろうけど、受け入れているってのが驚いた。」
「だって逆の立場に立って見れば、さき5は好きでもない人と結婚しなくちゃいけなくて、Hもしてるわけでしょ?それはあまりに可哀相すぎる。」
「その話をさき5にすると本当に泣きそうになるんだよ。。それに僕もいつまでも一人でいる訳では無いし…いざ、彼女ができました、となったら、さき5と会うのはできなくなるよ。
この前は、それを何回も言おうとしたんだけど、すごく幸せそうな顔をしていたから言えなかった。」
それから3分後のメッセージ。
「ごめん、今泣いてる。」
恐惶謹言
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