ついに…?
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
いつもは予約投稿なのですが、今現在ヨメと子供が昼寝中なのでアップします。
2-18話です。
前回の話はこちら↑
突然ウチに来ることになったさき5。
一時間半も経過すると、ぽろぽろメールが届き始めました。
律儀に今どの駅を通過しているか、と言う報告です。
そして到着の連絡が来たので駅に迎えに行くと、小さなビニール袋を持っていました。中を見ると青い液体の入った1リットル瓶。
立ち話もなんなので、近くの喫茶店に入って青い液体の事を聞くとブルーキュラソーと言うものらしく、彼女のお気に入りであるチャイナブルーと言うカクテルを作るのに不可欠なものとか。
近くに酒屋があるので、そこで買ってもよかったのに、と言うとこのブルーキュラソーはなかなか売っていないらしく、都内の某店で偶然入手したそうです。
その自慢のカクテルは後で味あわせてもらおうと思い、まずは(人格ができてから)初めての長距離の電車移動は疲れたでしょ、
と聞くと、
「いいえ、全然!途中で川とか見れて嬉しかったですし!」
予想外の返答に暫し呆然。
さき5にとっては、今回の電車移動は小学生の遠足みたいな感覚なのでしょう。
自分が始めて川を見た時に何を思っただろうか。と考えると何と返していいのか悩みます。
そして暫し雑談の後喫茶店を出て、酒屋さんで買出しをした後、家に移動。
さき5は手馴れた感じでチャイナブルーを作り始めました。
このカクテルを飲むのは初めてではありません。
以前川本と飲みに行った時にも飲んだのですが、その店のチャイナブルーは炭酸入りだったのです。
通常は炭酸が無いそうですが、川本はかなり不満に思っていました。
さき5はその意思を引き継いで(?)、自分に本物のチャイナブルーを作ってあげたいと思っていたようです。
「お、これは美味い。」
「美味しいですよねー。これが本物のチャイナブルーですから。」
DITAの味と、グレープフルーツの味が程よくマッチして飲みやすい。
ではブルーキュラソーの味は…?
「ブルーキュラソーはただの色つけなんですよ。味はありません。」
「ただの色つけなら、重い思いをしてまで持ってこなくてもよかったのに。」
「このブルーの綺麗さが重要なんですよ。」
確かに綺麗なブルーだ。
チャイナブルーと言うだけあってこの青さは見た目にも美味しそうに感じる。
そして色々雑談なんかをしてるうちに話題も尽き、ぼ~っとTVなんぞを眺めていると、さき5はおもむろに布団を敷き始め、布団の中に入り「来て来てw」と言う眼差しをこちらに送り始めました。
…で、ここからの状況を克明に記すと嫌に生生しくなってしまうので以後の内容から推理してみてください。
彼女の行動を言葉で表すとしたら「とても切実で必死」でした。
それを一方的に拒むのはとてもできないのですが、全てを受け入れるには状況が状況だし、自分なりの線引きをして応対をしました。
彼女はとても不満でしたが。
(何したか大体想像はつくと思いますが、Twitter垢を知っている人はDMで聞いてくれればそれとなく教えますよ…w)
やがて空に星がちらちら見えてくる時間になると、さき5は「泊まっていきたい」と言いだしいましたが、さすがに認める訳にはいかないので、一緒に電車の乗り電車乗り換えの中間地点迄送っていきました。
結果として友達以上の事をしてしまった訳ですが、部屋を出ればその関係はリセットされる訳で何ともぎこちない感じです。
電車内でカップルがいました。
「いいなあ…川本は好きな人と一緒になれて…」
ぽつりと、さき5がつぶやきました。
何と声をかけていいのかも分からず、ただ無言で電車は進みます。
そして見送り、帰途についたのですが、自分のした事は果たして良かったのか悪かったのか、なんともやりきれない気分になりました。
100人に聞けば100人とも「悪い事だ」と言うのかもしれない。
「その気も無いのにあんな事すんなよ」と言われるかもしれない。
…まぁ、開き直る訳では無いけど、あれだけ切実に迫られたら振り払う訳にもいかないし、自分一人が非難を受けるようになってもそれはそれでもいいや、なんて思っていました。
とりあえず行為についてはギリギリセーフだと思っているし。
ただ、絶対共有記憶には残っているだろうし、それを見た川本が何を言うのか戦々恐々です。
それから数時間後。
メッセンジャーで話しかけてきたのは、当然ながらさき5でした。
恐惶謹言
続きはこちら↓